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執筆者の写真Alidade

Houdini Advent Calendar 2020 Day 2th

investigator:Alidade


プロシージャルっぽくモデリングしていける方法を少な目のSOP数で纏めてみました

モデラーの視座から見たHoudiniの解釈でモデリングしていける方法で

クリスマスシーズンに相応しいオーナメントを作って行きます。


今回パラメータを担う専門ノードは作りませんが

モデリングが楽しく覚えられそうな手順を紹介します。


今回使用するHoudiniのバージョンは18.0.499です

比較検証用のhipファイルは後述になりますがあります(【補遺1】直前項)




1:オーナメントの中心部を作る



geo1の中にダイブしsphere1ジオメトリの中に作ります

geo1ORNAMENT名前をつけておきます。


sphere1PolygonMeshに指定

Uniform Scale2Rows512Columns512とします



2:マテリアルをつける


タブを移動します。

作業中のオブジェクトタブからマテリアルタブに移動し

マテリアルタブアクティブにします 以下、作業に移ります

マテリアルタブ内でオーナメントの下地にしたいメタリックシェーダー

5つ程度好きなマテリアルパレットからドラッグアンドドロップしておきます



5つあるうちの2つはメタリックがかかっていない不透明マテリアルにして

2つは名前を変更しておきます(TOP/OSATOU

※プリンシパルシェーダ推奨



再びタブを移動し オブジェクトタブに戻ってマテリアル指定します



マテリアルパレットを作れたらmaterial SOPマテリアルを呼び出しておきます


マテリアル指定方法は紫色の小さめな囲いの中で

/mat/coatedmetalpaintと指定します




3:attribpaint SOP上でラメを散らすためのマスクを描く



attribpaint SOPを作り、アトリビュート名をmillorにします


モデルが描画されているウィンドウ上にマウスカーソルを置き enterすると

ヒートマップのような感覚のインフルエンスマップが描けるようになります

適当に好みの柄を手書きで書き込みましょう




4:scatter SOPでグリッターの散り方を調整


scatter SOPを下層流域に接続します


scatter SOP内の設定は以下の通りになります Density Attrivuteチェック

millorという名前にしたアトリビュートを呼び出します scatter数は50000にします




5:ray SOPを用意しマージします


scattersphireray SOPで繋げます

マージの接続は以下になります merge SOPを呼び出しこのように接続します




6:もう一つsphere SOPを用意します


細かい粒状のグリッターを作りたいので何か形状を用意します(sphere推奨)

マテリアル指定もしておきます(coppergold推奨)

copytopoints SOPを作りマテリアルからcopytopoint左側に繋げておきます。




7:nomal SOPを用意しray SOPからつなげ球面(sphire1)に対するノーマルを取る


ポイントに対してノーマルを取る設定にしておき

raySOPの下に繋ぎ、copytopoint右側に接続します




8:二つのattribrandomize SOPを取りランダム感を出す


何か物足りない要素を感じますね ランダム感が足りないので

二つattrobrandomize SOPを使います


一つ目のattrobrandomize SOPにはN(ノーマル)を指定し適当にパラメータを調整します(今回はデフォルト値)

二つ目のattrobrandomize SOPにはpscale(ポイントスケール)を指定します

(これもデフォルト値)

二つのattrobrandomize SOPが出来たらnomal SOPの下に接続し copytopoints SOP右側に繋げます

最後はmerge SOPでraySOP materialSOP copytopoinsSOPを繋げておけば

本体は完成です





9:オーナメントの座金のようなものを作る(ナスカン留め)


tube SOPを作ります

tube内のHeight値からCenterY軸にHeight値の半値を入れるので

CenterY軸にch("height")/2と入力します

tranceform SOPを作ります

Y軸にはch("../sphere1/scale")を入れ 呼び出し先に指定します

blast SOPを作り Delete Non Selectedチェックを入れPrimitive指定で0番のプリミティブのみを残す選択にしておきます。


Groupの値に0を入れるのを忘れないでください

チェックボックスのチェックの入れどころは以下の通り

extractcentroid SOPを使いますMethodはBoundingBoxCenterにします




10:オーナメントのナスカン留めの上部を作る



もう一つtube SOPをつくります 形状の属性はPolygonに指定

横倒しにしたいので今回はRotateX90にしてみます

Colums可変するのでお好みで(今回は22にしました)

clip SOPを作りDirectionY軸を1とし輪が半分になるようにします

polyextrude SOPを呼び出し Distance0.256と入力(お好みのバランスでも良い)

transform SOPを作ります

Uniform Scale0.25で Pivot TransformY軸にのみ$YMINと入力します

copytopoints SOPで繋げ mergeしていきます

マテリアルmaterial SOPで指定 goldかcopperにします(今回はgold




11:最終マージ


SOP処理順はこのような配置になっているのが理想です

それらをもっとわかりやすくする為にSOPレイアウト修正をしていきます


出来上がったパーツのSOPを最下層にあるSOPからmerge null SOPで閉じておきます

nullの名前は適当でいいです(OUT_BODYとしました)


こんな感じで紫の囲いの中などをクリックすると

レイアウトの補助ツールPOPしてくるので整理整頓していきます


手順

1: 区切りたいSOP群ドラッグしながら選択SOPの外側が黄色の枠になるようにします

2: そのまま紫の小さな枠内のアイコンをクリックすると無色の枠が作られ

色を変えたい場合カラーパレット状のアイコンをクリックして変更できます

3: null SOPを作りmerge SOPの下に繋げて名前を付けておきます


これでオーソドックスなクリスマスオーナメント完成です。






12:ジンジャークッキー型の作例



出来上がったクリスマスオーナメントのコピーを作り

今度は改造をしながらジンジャークッキー型のオーナメントを作ります。


徐々に煩雑な作業になっていくので球体オーナメントで終わらせたい場合、

後述の補遺1あたりに飛んでさらりと流しておけることも可能です。



では始めます


Uキーobj階層の上部に行き

geo1から名前を変えたORNAMENTノードをコピーします

(作れたノードを選択ctrl+c の後ctrl+v


名前をGINGER_COOKIEとします






13:座金 あるいはナスカン留めの改造



GINGER_COOKIEにダイブして左側レイアウトしたノード群を2行目まで残し

右端にあったオーナメントの本体のSOP群は削除します


残ったSOPを少しだけ改造していきます

clip SOPを変更します

Z軸を1にし 他の軸は0として円柱がスライスされる角度を変えます

polyfil SOPを接続

SinglePolygonにしPatchGroupのグループ設定をONにします(グループ名はpatch

polyextrude SOPを接続します

Group指定を先ほど設定したグループのpatchにしDistance0.15にします

を接続します

Group指定を先ほど設定したグループのpatchにしDistance0.15にします

transform SOPの指定はTranslateY軸にのみ↑カーソルをあててください

カーソルを合わせたらこのようになると思いますが 続けて以下エクスプレッション

入れてオーナメントの座金を固定します。


bbox("../transform3", D_YMAX)-0.25


続いて座金の先にあるナスカン留めの位置を改造します

Pivot TranslateY軸には$YMIN Z軸には$ZMIN/2と入力します。


これは、Y軸はオブジェクトが持つ中心ピボットの位置をY軸の最下部に移動

Z軸に至ってはZ軸の最下部より1/2の半数とする指定方法になります。


先に使ったbbox指定方法については後述しますが今はとりあえず置いておいて

先に進みます。





14:アイシングクッキーをtrace SOPで作る



trace SOPというとても便利な機能があるのですが、

それはPhoroshopなどで書いた2DシルエットをHoudini内に呼び出せる機能があります


シルエットから立体を起こせる機能なのでこれを覚えるとハンドメイドアクセサリーのような物などがそこらじゅうに作れるようになるので覚えておきましょう。





trace SOPを呼び出したらScale To Size100×100にします

Threshold0.5


タブを移動

FiltersRemoveBordersにチェックが入っているかを確認し

BorderWidth2か確認します。

よくあるかもしれない事ですが、

Boundary Colorの指定がネガポジ反転だったりする事があるので

デフォルト設定に安心ができない環境であればそこまで確認してください。

今回は黒がクロマキーで生かされる色の指定になります(白は消える側です)

お好みに合わせてシルエットを作れるので 絵のピクセルを合わせて

好きな絵を上書きしてみたりしてください(今回は1024×1024です)上手くできた場合、Extract Centroid SOPtrace SOPの下に接続 設定は以下を守ってください

transform SOPを接続しますGroupTypepointsを選び

UniformScale3.72程度にします(シルエットを変えた場合は自己で好みになります)

resample SOPtransform SOPの下に接続します

Length0.1程度で良いかとおもいます

(ここでクッキーがハイモデルディティールかどうか調整する所なので)

poilyextrude SOPを作り resample SOPの下に接続します

Extrusionタブが押されている事を確認したら


Distance0.532

inset0.246


Extrusionタブの中のチェックボックス


Output Front

Output Back

Output Side


が使える状態か確認し それぞれ


extrudeFront

extrudeBack

extrudeSide


グループ分けが出来ているか確認してください

このグループ分けがきちんと出来ていないとグループが目的通りに分かれていかないので

Extrusionタブの中で有効化しておいてください。





15:クッキーの幅をextrudeした際のグループ処理の仕方



blast SOPは実は選択範囲の正負を反転させる事ができるので

まるで錯謬があるような使い方にはなりますがblastの意味とは真逆の使い方ができます。



blast SOP3つ作ります 3つblast SOPには全て

Delete Non Selectedのチェックボックスを入れます


GroupextrudeFrontにします↑


すぐ下にextrude SOPを入れておきます

新しくextrude SOPtabキーから呼び出して作ってください

今度はDistance0.05とし他はデフォルト設定のままで繋げます

厚みの上に厚みがついた形になると思われますのでその設定ができたら次に移ります。


GroupextrudeSideextrudeBackにします↑


スペースキーグループ名を分けるときちんと2つのグループが選ばれている事になるので

スペースキーで区切ってください

真ん中blastで選択したグループはマテリアルをつけます

マテリアル指定は/mat/coatedmetalpaintにします

3つのうちの右端に配置したblast SOPはグループ指定は再びextrudeFrontですが

GroupTypeを変えてしまいます TypeEdgesエッジのみ)に変えます


右端blast SOPの下にfuse SOPを接続し接合するスナップの閾値を変えていきます

(シルエットを変えた人は独自に変えてマージしてください

大体Mayaのマージ機能のSetting内でTreshold指定していく感覚と同じです)

閉じたラインになれたらresample SOPを繋げます

設定はLength0.086程度にして調整していきます

transform SOPを接続し TranslateZ軸にch("../polyextrude4/dist")を入れます


この指定方法は前もって厚みの上に厚みがついた形になった

extrude SOP住所を呼び出し その厚さの上に

前もって分けておいたエッジのグループZ軸に合わせて移動させる指定方法になります。



ch("../polyextrude4/dist")とは



今回、polyextrude4というSOPDistanceの座標の先に

合わせたいオブジェクトを入れたい軸方向に合わせる という使用方法になりますが


chとはどこのSOPを指定する時も使う共通の言葉遣いなので覚えておきましょう

指定SOPの住所がどこか指定する際の宣言みたいな感じです。







さて、前もって作っておいたこの↓polyextrude SOPディティールをつけていきます

不思議な質感を求める際にダイナメッシュのような感覚で崩していけるSOPがあるので

早速作業に移ります。




17:クッキーのアイシングの臨場感の出し方


左端にあるpolyextrude SOPの下にvdbfrompolygon SOPを接続します。

クッキーの上にあるお砂糖に幅を与えた面状のアイシングが作られている作業箇所に当たります

Voxel Size0.02です

念のためDistanceVDBとして使われているかチェックしてください

次は、convertvdb SOPをその下部に接続します。

Convert ToPolygonに必ず指定します↑紫の小さめな囲い参照

mountain SOPconvertvdb SOPの下に接続します


Height0.05

Element Size0.28


この辺はシルエットに変更を加えた場合、独自で勘所を探っていく必要があるので

あくまで目安です。



出来たらmaterial SOPを作っておきます マテリアルはTOP指定して繋げます。

/mat/TOP




18:アイシングクッキーのアイシング外枠を作る


作業領域が変わります

右側blast SOPで作っているアイシングクッキーエッジ作りに入ります

作っていたtransform SOPの下にSOPをつなげていきましょう

polywire SOPtransform SOPに繋げ WireRadius0.05にします

角を丸めにしたい場合はDivisionsを調整してもいいでしょう

material SOPPolywire SOPの下に繋げます マテリアルOSATOUにします




19:半プロシージャル的な手書きアイシングで飾りを盛り上げていく


グループ分けされる前polyextrude SOPの下部からnull SOPを作り繋げておきます

nullOUT_SUGER2と名付けておきます

blast SOPを作りGroup設定をextrudeFrontにし Delete Non Selectedに指定

選択したグループが消されない設定にし その下に接続


drawcurve SOPを新規に作り rey SOPblastで生かしたextrudeFrontグループ名

先に呼び出しておきます 下図のようにSOP同士は繋げておきます↓

グループが必要なのでgroup SOPを作りblast SOPの下とray SOPの上部に割り込ませる


紫の枠内の設定どおり設定 groupSOPを割り込ませます

出来たgroup SOPの下に何も設定に触れていないtransform SOPを付け足して繋げます

これは後で役に立つSOPなので忘れずに入れておきます



アイシングを描くにあたって

今まで作って来たSOPを集約する必要があるのでmerge SOPを使ってまとめます

下図のようなレイアウトにするためにビューポートを書き込みやすいように動かしておきますが、


まずはmerge SOPを作り紫の枠内クリックしテンプレートが働くようにしておきます


繋げ方は更に下図を見ながらやります

右端のray SOP以外はmaterial SOPの下部からmerge SOPに伸ばし繋げてください

画面のビューポートレイアウトを描きやすいような位置からの投影になったら、

drawcurveSOPに移動してアイシングシュガーを位置に合わせて描き込んでみます


書き込む際にはdrawcurve SOP選択した状態

モデルが表示されているビューポート領域にマウスカーソルを移動させ、

Enterキーで描画が始められます。


(下部のSOP群にドロー行為が反映されるので↓のハリガネ状態になります)


SOPを一旦移動し 今度はtransform SOPを作りray SOPの下に繋げていきます

繋げたtransform SOPTranslateZ軸にch("../transform6/tz")+0.05

指定しておき、更にPivotTranslateZ軸に$CEZと入れて

Z軸のピボット固定しておきます。



polywire SOPを反映させていきます transform SOPの下部に繋げます

最終的なWireRadius0.028程度ですが お好みで

何かガタガタしているのでワイヤーが成立するポイント数を整理したい場合

drawcurve SOPの下部にresample SOPを入れ調整します(今回はデフォルト)

綺麗になったのでmaterial SOPを作り下部に繋げていきます

マテリアルOSATOUにします(/mat/OSATOU

最後にpolywire SOPパラメーター設定を微調整して絵面のバランスを整えます

何か伸びすぎていたりしますね・・?必要のないモディファイヤをそぎ落とすように

チェックボックスを消したりしての立ち方を整えます

まぁ こんな感じでいいかなみたいですが調整が終わりました。



20:最終マージとNull SOPの処理


SOPの並びは以下の通りが理想です樹状のような処理群を整える際、


水色のワイヤの上でマウスを押しながらAltキーを押してワイヤをドラッグすると

Blenderの分岐整理のような玉状のポイントが出て来て折れ曲がるようになるので

それで綺麗な見た目になります。

最後にnull SOPを作りOUT_BODYという名前にしてモデル生成の機序を閉じます

これでジンジャークッキー型のオーナメントの生成も終わりです おつかれさまでした

確認用のhipファイルはこちらになります。




【補遺1】



bbox("../transform3", D_YMAX)-0.25 の指定方法について



これはオブジェクトには必ずつけられる

バウンディングボックスHoudiniでの記述方法です。



バウンディングボックス呼び出しは

bbox にあたり、


("../transform3", D_YMAX) とは"../transform3"という住所のD_YMAXを求めてね。


、それを0.25引いた座標が常にtransform3の置かれる位置だよ

という事になります。


難しめな指定方法ですが

D_YMAXとはY最高値を求める為に D_と伝えなければならない事を忘れないでおくと

そのうち-0.25他のオブジェクトの住所になり、だんだん相対的指定方法

楽しくなった先にフルプロシージャルモデリングがあるようです。





【補遺2】



今回 blast SOPの特殊な使い方をしながらサーフェースの中心座標などを根本に

形が増えて行くオブジェクト作りをしました。


オブジェクトの座標値を求める際に必要な事はblast SOPでポイント値を探り

ポイント値だけ残してからcopytopointをしていくとシルエットが増えていくので

他の統合環境型のモデラーソフトとは違うバランスのアプローチで

モデリングしていく必要がありますが、


何かモデルを剥がしてポイントのみを抽出した際に

必要だったテクニックによるものになり


初期プロシージャルモデリングでパラメーターを使っていくためのテクニックだけで

構成されていますので指定方法をなるべく簡素にしましたが、


読み返してみるとボリュームがあるようですし

その際は手順11まででも大丈夫なようにしました。


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Houdiniモデリングで形を作っていく事は即ち、何らかの方法を使って

他所のモデルのポイント座標値からextrudeないしはaddpointを仕掛けていく事で

雑居ビル群のような成り立ちでコムナルカのようなモデルが出来上がっていく事に

意義があるようです。


必要な知識は、

得たい座標値はどこの面か あるいはエッジなのか ポイントなのかによるので

その求め方が注目されるように書いたつもりです。


もし、その際に何か間違った事があればどうかご指導していただけると助かります。



12/02/2020 Al-Alidade

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